日明恩の「ゆえに、警官は見護る」 [読書]
潮崎警視と武本警部シリーズの最新作、といいながら前作以前の作品の内容をほとんど覚えておらずw、本作を読んで少し復習しようか、なんて思って読んだ次第。とはいえ、シリーズ初見でも十分に楽しめる内容となっています。
タイヤを重ねてその中に死体を入れて焼く、という事件が東京都内で3件立て続けに発生し、物語は始まります。この事件が本書におけるベースストーリー。同時に新宿署に暴行事件で留置された被疑者の挙動を観察する武本警部の話が進行していきます。
ベースストーリーの解決に向けて、潮崎警視とその監視役という名目で宇佐見(財務捜査官)と正木(本庁捜査一課に配属された女性刑事)の3人がチームを組んで(コミカルに・・・?)事件解決に向けて動く一方で、捜査本部の鳩羽、遠藤のチームが後半になって重要な働きをみせる・・・。
解決の糸口は武本が見つけるわけですが、解決に至るまでの展開に違和感はなく、事件の背景にある重さを潮崎チームがある程度やわらげつつ、犯罪に走らざるを得なかった人たちの心情を慮ると、少々つらい読後感・・・
装丁のしっかりした単行本の重さは内容の重さと比例してました。
お勧めの一冊です。
2019-05-31 11:42
nice!(24)
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