海堂尊の「スカラムーシュ・ムーン」 [読書]
この一連のシリーズの完結編ともいえる作品ながら、全体に漂う荒唐無稽さと本書に登場する加賀の大学院生たちの起業に至るくだりにみられるギャップが面白いともいわせるし、無理があるともいわせるという両面の性格があるような作品です。
架空でありながら現実の出来事を連想させる展開は迫力がありつつも、本音を言えば大学院生たちの奮闘ぶりを中心にした作品でもよかったのではないかと思いました。
問題提起型の作風である海堂さんの作品である以上、いろいろな要素を絡める必要があったのでしょうが、シリーズの構成を考えればやむを得ないというところでしょうか?
ぶっちゃく楽しく読めましたが、最近、先生が進めているゲバラ作品は未読。読み応えのある作品を世に多く出してきただけに興味があります。
チャレンジしてみようかと思っています。
2019-05-07 18:09
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