ジェフリーディーヴァ―の「スティール・キス」 [読書]
リンカーン・ライムシリーズの第12弾は、繋がる家電、ありとあらゆるものがネットでつながりつつあるIoT時代の黎明期を迎えた「今、そこにある危機」を題材にしています。
エスカレーター、電子レンジ、クルマ・・・身近なツールや道具がある日、突然、牙を向く・・・ネットでつながることで利便性が増すと同時に、命の危険(言い過ぎかも)にさらされる可能性、リスクも伴う。フィクションであるがゆえに、そんなに簡単にネットワークに入れるかどうかは置いておくとして、悪意のある誰かが実行に移す可能性を全く否定することはできないリアリティがあります。
IoT時代におけるテロといえる犯罪ですが、本書ではユーザー名簿から攻撃する対象を特定していること。一見すると電子レンジなどは製品の不具合として片づけられる可能だって高い。メーカーの製造責任が問われ、本当の犯人は分からないという完全は犯罪も成立する。
恐ろしい話です。リンカーンライムシリーズの特長は時代の先端をいくトレンドを物語に見事なまでに反映させること。読者のリアリティに訴えることで、臨場感が増します。
相変わらずの読み応えですが、単行本は厚いし重い。電車で読むのは一苦労です・・・・
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