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堂場瞬一の「潜る女 アナザーフェイス8」 [読書]


潜る女 アナザーフェイス 8 (文春文庫)

潜る女 アナザーフェイス 8 (文春文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/03/10
  • メディア: 文庫

大友鉄のアナザーフェイスシリーズの第8弾。今回は結婚詐欺の事件で捜査二課のヘルプです。殺人事件との絡みもあって、一課との御馴染みの連中との絡みもあり、「 ルーキー - 刑事の挑戦・一之瀬拓真 (中公文庫) 」シリーズの一之瀬刑事も登場(一之瀬シリーズに大友も登場済み)し、堂場さんの刑事ものは”職場間交流”があってよい。読者としてはにんまりする瞬間です。

いつもながら思うのは、シリーズ当初から思っていたことですが、主人公の大友鉄という人物が、等身大のキャラクターであり、かつ好感の持てる人となりで、読んでいてリアルな存在であるということ。派手な事件やスーパー刑事が登場するような作品ではないだけに盛り上がりに欠けるような懸念がありつつも、息子や実家、義母とのやりとりや彼らに対する思い、感情。加えて、職場の同期、同僚との事件とは関係ないところでのやり取りが随所に盛り込まれ、事件の進行が気になりながらも、それを追う大友の気持ちや考え方を理解しながら読み進めることで、地味な話も広がり、深みを持つことになります。

きれいなお姉さんが登場する本作、詐欺事件の立証で前半は地味、後半は殺人事件との絡みもあって、リズムが変わります。メリハリの作品。面白いです。

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