朱川湊人の「狐と鞭 ~知らぬ火文庫」 [読書]
本書は「日本国現報善悪霊異記」=「日本霊異記」をベースにしたお話です。奈良以前、律令国家誕生以前からの怪異や奇跡にまつわる説話が元になっています。日本霊異記の作者とされる僧の景戒も登場人物の一人として登場。渡来人が当たり前のように存在する社会。異形の人とは渡来人のことだったのかもしれないと思いつつ、歴史上の出来事=政争の背景にあるような出来事についても霊を介してその真実が明らかになったり・・・といいつつ本当のところはどうなのか分かりませんが、1000年も前の世界観は恐らくは今と全く違った世界であることは想像に難くなく、まるでおとぎ話のような雰囲気を存分に楽しめます。
明るく元気になる一冊とは言えませんが、一読に値する本かもしれません。
2018-03-05 15:32
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