奥田英朗の「ウランバーナの森」 [読書]
避暑地軽井沢で過ごす“ジョン”が主人公です。ジョンは英国人でリバプール生まれ。知る人ぞ知るミュージシャンであり、スターでもありますが、軽井沢で過ごしている彼は一部の人たちを除いて気づかれていない。物語はそんな日本で過ごす4回目の夏、ちょうどお盆のころのお話です・・・
便秘、幻覚、そして幽霊・・・なんとなく主人公のジョンはあいつか!と思いつつ(もっともこれはあくまでも奥田先生が創作したフィクションであります)、彼のジョンが便秘を起点に苦しむさまは非常にほほえましいというか、本当にそんな夏を過ごしていたら面白かっただろうな、なんてニヤニヤしながら読んでました。
また、ジョンの治療にあたる精神科医?心療内科医のキャラクターもよい。他の書評をみるとこのキャラクターが後の伊良部シリーズにつながった?という説もあるようですが、それもうなずける話。なかなかよいキャラでした。
タイトルの「ウランバーナ」とは・・・これは本書の展開、物語の本筋に関わることなのでここでは控えますが、いずれにせよ、ラストがスッキリ!としたものであったことは良かった。本物のジョンは悲しい最期を遂げますが、本書に登場したジョンのような感じで今も生き続けていてくれたらな、なんて思ってしまいました。
面白かったです。
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