富樫倫太郎の「北条早雲-相模侵攻篇」 [読書]
6月19日放送の大河ドラマ「真田丸」で小田原城が開城、5代100年に渡って続いた北条氏はここに滅亡(厳密には氏直の子孫が徳川体制下の大名として存続しますが)しました。
本書は初代早雲が主人公。北伊豆の支配から相模への侵攻をもくろみ、いよいよ小田原城を奪った、というところで終わります。当時の早雲の手勢は頑張って1000人。5代氏直の時代には50000人も動員できたというから、その勢力は強大だったことが分かりますが、20~22万人とも言われた豊臣軍の前に、難攻不落といわれた最終決戦に持ち込むことなく開城したのはやむ得ないことだったと思います。
もっとも早雲が同じような立場であったなら、小田原に討伐軍が来る前に上洛し、秀吉に頭を下げていたのではないでしょうか?本書に描かれているような早雲であれば、行動は早かったはず。自らの力を過信することなく機敏に動いていたのではないかと思います。そういう意味では、氏政、氏直親子は、関東全域を支配しているという自らの力を過信するあまり、おごり高ぶったともいえそう。早雲さんも草葉の陰で泣いている・・・なんとも残念な話ではあります。
それにしても本書はおもしろい。軍配者シリーズからのスピンアウトだと思いますが、戦国時代前夜から前期にかけての攻防、関東、東国における歴史はなかなか表に出てこない話なので、非常に興味深いです。
次巻が待ち望まれます。
ご訪問・nice!とコメントをいただきありがとうございます。
歴史が正直苦手ではありますが、大河ドラマで取り上げられると
何故か(少しですが)頭に入っていきます。
by しゅわっち (2016-06-25 21:17)
>しゅわっち さん
コメントありがとうございます。
よい役者、好きな役者さんがやるとグッとはまりますよね。
by Ganchan (2016-07-01 13:51)