誉田哲也の「幸せの条件」 [読書]
- 作者: 誉田 哲也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/08/22
- メディア: 文庫
誉田先生といえばデビュー当時は怪奇SFミステリー、その後は武士道シリーズなどの青春小説のジャンルを究め、昨今では警察ミステリ&サスペンスのジャンルで有名になった作家さんです。
その彼が東日本大震災の目の当りにして書いたという小説が本書です。長野県の農業法人を舞台に、日本のエネルギー問題、農業、食糧問題に真正面から挑んだ意欲作!と言いたいところですが、どうしようもない現実に直面しながらも少しでも現状を変えていこう、できることからやっていこう!というなんとももどかしい形で小説は終わっています。
もっとも決して暗いトーンではなく、大学を卒業して2年のフツーのOLが挑戦する様や、彼女を受け入れた長野の人々の優しさや農業に取り組む姿は読者を前向きにさせるだけの内容となっています。
本書に書かれているような取組は、全国のさまざまなところで行われていて、現状を少しでも変えていこうとする動きは必ずしも目新しいものではないと思いますが(本書の内容自体、新しい取組として描かれているわけではない)、本書の内容が読者の気づきを促すことができたとしたら作者の意図は伝わったということになるのではないかと思います。「幸せの条件」というタイトルは誉田先生の本書で書きたかったことを象徴、暗示していると思うのですが深読みしすぎでしょうか?
Ganchanさん、ご訪問&コメントありがとうございました♪
by DorakenBeginner (2016-06-07 06:21)
>DorakenBeginnerさん
今後ともよろしくお願いします。
by Ganchan (2016-06-14 12:01)