高殿円の「シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱」 [読書]
突然ですがみなさんは「シャーロック・ホームズ」が好きですか?
ポプラ社版子ども向けのシャーロック・ホームズシリーズ を読んだ方も多いのではないでしょうか。推理小説というよりは冒険小説的な雰囲気もありましたね。みんながホームズファンと気づいた時、天邪鬼の私は同じポプラ社のアルセーヌ・ルパンシリーズが好き、と言ってはばかりませんでした。よって「ルパン対ホームズ 怪盗ルパン 文庫版第3巻」が出た時は本当にうれしかった!嬉々として読んだことを覚えています。
本書はそんなホームズの現代版、しかも女性、という設定です。ワトソンもレストレード警部も全部女性。現代にホームズを甦らせたリメイク版は多く、最近ではベネディクト・カンバーバッチがホームズを演じる「SHERLOCK」シリーズや、設定を変えるという点では、三谷幸喜が書き下ろしたホームズの少年時代、寄宿舎を舞台にした人形劇「シャーロック・ホームズ」などの作品があります。
こうした蘇り系の作品が多いということは、コナン・ドイルが創作したシャーロック・ホームズという作品およびそのキャラクターのファンが多いことの証左ともいえるのですが、本書もその流れの中の一つの作品と捉えることができます。
女性が主人公であると同時に、シャーリー・ホームズが現代のICT時代の産物であることなどまさに現代の名探偵・・・設定の面白さが先に立って肝心の中身があまり頭に入らなかったというのが正直な読後感。ちょっと私には物足りなかったかなとう感じですが、興味のある方は是非読んでみてください。
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