京極夏彦の「書楼弔堂」 [読書]
本好き、読書好きの人にお薦めの本です。「弔堂」といういささか変わった看板を掲げている本屋が舞台のお話。時代は明治、幕末から20年程経ったあたりでしょうか。この弔堂の主人がさまざまな悩みや気に病むことを抱えている人を本を媒介に導くというお話です。弔堂を訪れる人々はいずれも実在の人物。本というものが、それぞれの人物にとってどのようなものなのかを見抜き、アドバイスを送る・・・まるで中禅寺秋彦のような洞察力と本に対する豊富な知識を持った主人の振る舞いは、京極先生のシリーズを読まれている方々にはお馴染みの展開です。
本書タイトルの「弔堂」という看板。本とはこういうもの、なぜ人は本を読むのか、という問いかけと、その答えとして主人(京極)の考えが披露されています。なるほどなぁ、と私としては妙に納得してしまったのではありました。
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