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万城目学の「とっぴんぱらりの風太郎」 [読書]

とっぴんぱらりの風太郎

とっぴんぱらりの風太郎

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/09/28
  • メディア: 単行本
全部で700ページ超の正に超大作。通勤と就寝前に読んでいたのですが、ちょうど2週間かかってしまいました。
話題の「ニート忍者小説」ですが、詳細はすでにさまざまなメディア、ブログ等で言及されていることと思いますので、私としては極めて情緒的に登場人物に対する思い入れというか感想を述べてみたいと思います。
まずは主人公である風太郎(ぷうたろう)。こいつの融通のきかなさ、不器用なところは好きです。主人公のキャラ設定としては申し分ない、というか黒弓、蝉左右衛門らのキャラが生きる設定となっています。伊賀・柘植屋敷出身のおかしな仲間たち、という風情を十分に出していた。
それに絶世の美女、常世のストイックな忍者がからみ、男らしい?ところを見せる。いい加減女子の百市と不器用な芥下の女子連中の風太郎への絡みかたも良い。これら柘植屋敷出身の仲間たちとのやり取りは青春小説そのものといっていい。時代設定は大坂冬の陣直前から夏の陣までとなっていますが、現代に置き換えても違和感はないのかもしれません。
万城目作品ならではの登場人物といえば因心居士でしょう。不思議の極み的存在でありますが、物語の進行をつかさどる存在として重要なポジションにいます。私としては、彼の存在が多くの登場人物たちを助ける存在でいて欲しかったのですが、なかなかそうはいかないという展開に少々不満。最後は・・・であってほしい、それを助けるのが因心居士であったはずが・・・忘れてはならないのはひさご様でしょう。うん、なかなか存在感のある良いキャラでした。宿敵、残菊もいい。強い悪役というのは興奮を呼びます。
ラストはそして何も無くなった・・・頑張ったね、風太郎って感じ?むーん、なんか虚無的な心境に陥ったのですが、まさか続編はないよね。
 

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