堂場瞬一の「ラスト・コード」 [読書]
堂場さんの警察を舞台とした作品は、物語の起承転結がはっきりしていること、主人公のキャラがしっかりと立っていること(周辺の登場人物たちも同様)、どちらかというとアウトロー的存在の人物にスポットを当てていることなどから、ある種、ハードボイルド風のスパイスの効いた刑事もの、事件ものであるといえます。
本書は以上の特徴を端的に表している作品です。高城や鳴沢といった堂場作品の一連の作品の中でシリーズを張っているキャラも登場(高城は登場人物の会話に名前が挙がっただけですが)、堂場作品ファンにとってはニヤツキものの作品でもあります。
画期的な医療技術を開発した技術者の殺人事件を発端に、 一人の所轄刑事が殺された技術者の娘と孤立無援の中、事件解決に向けて奮闘するというお話。刑事と逃避行をともにする娘の述懐が少なすぎるというか、半端な感じがしたのが残念。それに「義憤に駆られた刑事たちがボランティアで動く」という設定もやや違和感があったものの、話はすっきり収まった感はありました。 とりあえずは楽しめたかな。
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