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貫井徳郎の「微笑む人」 [読書]

微笑む人

微笑む人

  • 作者: 貫井 徳郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2012/08/18
  • メディア: 単行本
むむむっ、こういう終わり方かぁ、というのが正直な感想。結局は主観によって(その積み重ねによって)、人の評価は左右されるということらしい。確かにそうだ。その通りだと思いつつ、読者としては物足りなさを感じざるを得ない。もっともこうした終わり方に共感を覚えた読者も多いかもしれない。エンタテインメント的な展開を望む私としては肩すかしをくらったような読後感に襲われました。
家族殺し(妻子)の容疑者とされた夫、犯人の常識でははかれない動機に疑問を抱いた小説家が、犯人の半生を追い、その真意を探ろうとする物語です。調べてみると彼の周りで亡くなっている人が多い。同僚、大学時代の学友、小学校時代の隣家の主人・・・これらの「事件」と何らかの関連があるのでは?という視点にたった小説家は、当時の関係者に話を聞きながらその真相に迫ろうとします。
既に逮捕、収監されている犯人の実像が明らかにされてくるにつれて、得体のしれない犯人像が読者である私にも醸成されてきた・・・どんな結末なのだろうという期待感・・・見事に裏切られたといった感じ。そういう意識を持つこと自体を揶揄している
批判している本なのかもしれない、という印象も持ちましたが・・・それならもっと明確なメッセージが欲しかった、という感じがしております。 
 
 

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いっぷく

ごあいさつありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いします
by いっぷく (2013-04-18 17:15) 

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