大沢在昌の「絆回廊 新宿鮫ⅹ」 [読書]
新宿鮫である。シリーズ10作目、小説の時間軸と現実の時間軸は異なるとはいえ、私の中で新宿鮫は確実に老いているわけで、鮫の存在が大きなもの、大きな流れに抗うことにひそかな期待感と爽快感を求めていたときは明らかに違うことに気付き、なんか仕方ないよね、でも、僕は信ずる道を行きたいよね、というあきらめにも似た感覚で鮫島の存在を確認し、追認するといった感じです。本作では唯一の理解者とされた桃井さんが亡くなり、新宿鮫シリーズは確実に大きな節目を迎えたということになると思います。新しいシリーズの展開に期待しつつも、一方で新宿鮫の時代は終わったのではないか、という一抹のさみしさも感じてしたのでした。
私も昔の新宿鮫の方が好きです。
ここのところ昔はもっと良かったのになぁって感じてしまう作品が多かったせいか絆回廊は久々にグッときました。
桃井は残念でした・・・。
by のりたま (2012-07-03 00:26)
>のりたまさん
同感です。
新宿鮫が戦ってきた相手がみえるモノからよく見えないモノに
変わってきたのかな、という感じもします。
by Ganchan (2012-07-08 10:38)