富樫倫太郎の「謙信の軍配者」

謙信の軍配者

• 作者: 富樫 倫太郎
• 出版社/メーカー: 中央公論新社
• 発売日: 2011/07
• メディア: 単行本

久々の更新です。いろいろ悩み事があって思うように読み進むことができなくて・・・という言い訳はさておき、軍配者3部作の完結編、「謙信の軍配者」です。

早雲の軍配者、 信玄の軍配者　と続く本作は、話流れ、タイトルからすると上杉謙信の軍配者として”採用”された冬之助が主人公となるわけですが、謙信といえば信玄との争い、川中島の合戦がクライマックスであるわけで、信玄の軍配者、四郎左こと山本勘助も引き続き重要な登場人物として描かれています。

もっとも生き様というか人間臭さとして魅力的なのは四郎左のほうであり（と私は思いますが）、謙信の軍配者といいつつ、物語の重心は信玄の軍配者によっていたような気がします。

早雲の軍配者であり、代も替わって北条氏康の軍配者となった風魔小太郎も加えた3人の軍配者が関東甲信越で合間見えた今回の3部作、戦国時代という小説の舞台では魅力的なステージで大変面白く読ませていただきました。・・・とここまで書いて足利学校時代からの流れを振り返ってみると、この3部作は四郎左（山本勘助）物語だったような気がします。 

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