畠中恵の「アイスクリン強し」 [読書]
ふと思ったのですが、最近のテレビドラマ、やけに大正、昭和を舞台にした作品が多くありません?「ゲゲゲの女房」、「おひさま」、「カーネーション」や土曜ドラマの「神様の女房」など、ゲゲゲ~を除いて戦前のお話です。視聴率もよいようで、こうしたドラマの主な視聴層である中高年に加え、比較的若い人も観ているようです。
いずれも分かりやすいというか、今の時代にない価値観の中で繰り広げられるドラマに郷愁を感じる人が多いのでしょうか?和洋折衷のアンバランスな風俗も意外に新鮮に見えます。同じ時代を描いた「おひさま」と「カーネーション」では、小学生の着ている服があまりに違っていたりなど(「おひさま」は長野、「カーネーション」は大阪、大阪の子どもたちのほうがこぎれい) 、都会と地方の差も歴然としています。
同じ日本であれながら、今とは違う時代の話に興味を覚える感じは、隣の国ながらどっか違う感じのする韓流ドラマを観るのと同じ流れなのかもしれません。
と前置きが長くなりましたが、本書は明治23年が舞台。文明開化も一段落つき、帝国議会が開催されようとしている時代です。当時は珍しい西洋菓子店を経営する主人公と、元旗本の若様ながら、食うためにはやむ得ないとして、不本意ながらも巡査になった主人公を取り巻く連中が繰り広げる他愛の無い日常、ちょっとした事件を扱った連作集です。
明治も中頃とはいえ、江戸の時代のしがらみや身分に係わることに縛られつつも、新しい時代を懸命に生きようとする人々・・・なんか宣伝文句のような感じになってしまいましたが、構えて読むような堅苦しさはなく、当時の時代背景を想像しながら読むと面白さもひときわ、といった感じでしょうか。続編、シリーズ化されるようなので、今後は登場人物のキャラも立って、より楽しい作品になるのでは?と期待させる作品です。
テレビドラマを見られるのも、細かな観察力で!
最近はテレビドラマも、その番組に入り込んでしまう内容のものが
少しづつ増えてきましたね^^
by yu-papa (2011-10-14 20:09)
>yu-papaさん
作り手のこだわりがわかる作品はみていて視聴者に通じる、
って感じがしてます。
by Ganchan (2011-10-16 11:06)