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藤沢周平記念館に行ってきました [トラベル&モニュメント]

「又八郎は両国橋を渡った。行く先は回向院裏の本所一ツ目であるる。そこまでくると、又八郎は、吉蔵にもらった図面を頼りに小路に入った」(用心棒日月抄「犬を飼う女」より-藤沢周平記念館チラシより抜粋」

開館一周年記念特別企画展として「『用心棒日月抄』の世界」が開催されていました。青江又八郎が活躍する「用心棒日月抄」は数ある藤沢作品の中でも好きな作品の一つというか、私が藤沢周平を読むきかっけになった作品です。そんな作品がちょうど訪れたときに企画展として開催されていたのは本当にラッキーでした。

藤沢作品の魅力は登場する人物に自己投影しやすいところでしょうか?あまりえらい人は出てこない。だいたいが小禄の侍で藩命があればそれに従う。その過程の中で悩み苦しむ。家族、同僚、組織(藩)という中で、時代小説という形をとりながら人間が生きていくうえでつきあたる普遍的な問題をテーマにしている。ステレオタイプかもしれませんが、そんな日常を描ききっているところが面白い。

藤沢周平記念館は、山形県の鶴岡市のお城跡、現在は鶴岡公園となっている場所にあります。かつて庄内藩と呼ばれた酒井14万石の城下町にあります。人気シリーズの海坂藩もののモデルは庄内藩、鶴岡の町ということで、その舞台となった町にいるという事実になんとなく気分が静かではありますが高揚している自分に気づきます。

記念館自体はこじんまりしたもので、他の作家さんのものと大きな違いはないと思いますが、そのこじんまりしたところが、藤沢作品の世界と妙にマッチしています。

庄内といえば最近は映画。鶴岡市郊外にある庄内映画村は、「デンデラ」、「十三人の刺客」、「座頭市」などのロケで使われたオープンセットが見学できます。京都の太秦のように整備されていませんが、リアルなつくりに満足・・・1600円の入園料は高い!と正直思いましたが・・・。もとは藤沢作品の映画化の際、ロケ先となった縁から今の映画村へ、という経緯がありますが、もう少し整備、テーマパークしても良いかな、とは思いました。あまりにもそのまんま。セットと映画との関連をもっと見せてもよいかも・・・

初日、映画村、二日目記念館と気分はすっかり海坂藩・・・総じて満足できた今回の夏休みでした。

藤沢周平記念館.jpg

藤沢周平記念館。入館料は300円です。鶴岡公園内、荘内神社のはす向かいにあります。

海坂藩.jpg

庄内映画村にあった海坂藩のお触書。獄門磔に処する旨(たぶん?)が書いてある。こういう藤沢作品や映画とのリンクがもっとあったらもっと良かったのに・・・

天道一家.jpg

座頭市に登場した天道一家の屋敷セット。 中がしっかりつくってあって江戸時代の旧家の雰囲気が楽しめます。


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