火坂雅志の「業政駆ける」

業政駈ける

• 作者: 火坂　雅志
• 出版社/メーカー: 角川学芸出版
• 発売日: 2010/09/22
• メディア: 単行本

「長野業政」という武将をご存知ですか？地元の方は別として、武田信玄と上杉謙信あたりのファンであれば、ご存知の方も多いのでは？武田vs上杉の長年に渡る抗争の中では、脇役としてちらちら登場する人物です。

現在の群馬県に所領を持つ小大名。関東管領上杉憲政を擁し、上野国西部に勢力を張り、上杉が北条に上野国から追い出された後は、周辺の諸豪族をまとめ、独立を保った武将です。

大河ドラマなどでもちょこっと登場する、という存在でしたが、本人を主人公にすると、当時の武田、上杉（長尾）、北条といった大大名の抗争もまた違ってみえる。真田一族などは上野氏と同じ立場でありながら、世の中、うまく渡って、有名になりましたが、知略、戦略という面で、真田に勝るとも劣らない武将だったようです。本書でも登場する真田幸隆（真田昌幸の父、幸村の祖父）との交流もあったようです。

それにしても、上杉ひいきの火坂さん。作品の設定ということもありますが、武田はさんざんに書きますね。当時の上野の人たちからすれば侵略者の武田は悪く書かれても当然だとは思いますが・・・

こういうマイナーな武将の話、結構好きです。メジャーな歴史がちょっと違ってみえます。

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