矢野隆の「無頼無頼ッ!」 [読書]
大坂夏の陣が終わって5年。ようやく徳川の世が固まりつつある時代が舞台のお話です。全国を渡り歩くかなり怪しい商人の蜘蛛助と、父の仇を探して旅を続ける武士、犬飼兵庫がひょんなところから知り合い、いつしか二人で旅をするようになって3年。ある時、蜘蛛助が九州のある場所に巨大な鉄の門があるという噂を聞きつけてきた。世の中全てのものを見てみたい、この眼に焼き付けたい、という蜘蛛助は兵庫と連れ立って鉄の門を目指して旅立つ・・・・
話の展開は完全にRPGですね。鉄の門にたどり着くまでの間、いろいろな障害が待ちうけ、一つずつクリアしていく・・・ゲームの原作なりそうな話です。不老不死の薬を求めて中国から日本に来たといわれる徐福伝説が背景にあります。
本作は、矢野隆さんが第21回小説すばる新人賞を受賞した「蛇衆 」に続く2作目の単行本作品。戦国時代の傭兵集団の話でしたが、どちらかといえば「蛇衆」のほうが面白かったなあ。とはいえ矢野さん34歳。若い作家の時代モノ。今後も期待したい作家の一人だと思います。
2010-10-09 10:24
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