岩井三四二の「竹千代を盗め」 [読書]
忍者といえばスーパーヒーローとして描かれることが多いと思います。逆に白土三平のカムイ伝のように歴史の裏側で必死に生きる下忍、アウトロー的なヒーローとして描かれることも多い。いずれにせよ俗とは別の世界に生きるかっこいい存在として認識されてきたように思います。
本書はそんな忍者のイメージを覆すものです。仕事の依頼があればちゃんと見積を出す。現地との往復の日数、滞在日数、忍宿の借賃、必要な中忍、下忍の数・・・忍者が金で動くことは別に新しい話ではありませんが、ここまでそろばんが前面にたった話は実に新鮮。いざ仕事に出ると失敗ばかりというのもおもしろい。そういう意味でリアルなお話です。
物語は桶狭間の合戦直後、後の徳川家康、松平元康が駿府に残した妻子を救出するために甲賀の伴家に仕事を依頼するところから始まります。
少し変わった忍者小説。若干ゆるい展開ながら最後はちゃんとしまりのある結末。岩井さんの作品は初めて読みましたが、他の作品も読んでみたいなと思わせる作品でした。
他の作品も読みたいなぁと
思える人に出会えると幸せですね!
先日読んだ本は
おっ!他も・・・・・と思ったのですが
他が悪くてがっかりでした。。。
by ハイマン (2009-08-30 22:18)
>ハイマン さま
そうなんでよね。期待が先に立つとがっかり
なんてことがある。書き手、読み手のそのときの
精神状態なんてことも影響しますから・・・
by Ganchan (2009-08-31 12:47)